こんにちは今回のコラムは顧問の小岩井が担当します
10/22に開催した症例報告会で扱った事例を紹介します
私自身がアトピー体質であり、漢方で良くなった経験から思い入れがある疾患です
漢方を仕事として始めたキッカケであり続ける理由でもあります
私は1980年生まれです
1990年代に「ステロイドは悪魔のクスリ」と報道されたのをキッカケに様々なウワサやビジネスが横行しました
それまでの皮膚科を中心としたアトピー治療が患者をしっかり診ていなかったことも要因の1つでした
そのため医療不信を招き今でも完全には払しょくされていません
私は漢方家である以前に薬剤師です
薬剤師には国民の公衆衛生を守る役割があります
誤った情報により人々に損害を与えてはいけません
ここでアトピー性皮膚炎ガイドライン2018を基にまずお話します
図のように3歳までにアトピーを発症する割合は3割強
実際子供の幼稚園の子をみていてもそれくらいはいるように思います
”増えている”と感じるのはそのせいかもしれません
ところが
寛解率を見てみると
1歳6か月までに70.1％ 1歳6か月から3歳までに48.1％
の子が寛解していることがわかります
つまり発症しても治癒ないしは改善していく子が多いのです
別のデータでは50％が自然緩解に達する年齢が8-9歳、16歳を過ぎると約9割が自然緩解すると言われています
つまり発症はしても”ほとんどの子が成長過程で治る”ということです
アトピー子をお持ちの親御さんはこのことを頭に入れておきましょう
次に治療薬（標準治療）の確認です
アトピーの治療の基本はステロイド外用薬です
これは昔も今も変わりありません
私がいくら漢方をやっていてもそうだと言い切れます
先ほどのデータの通り、指示通りにこの治療を続けていれば90％の子がアトピーから解放されます
そこで違うものに手を出して遠回りすることで治癒を遅らせ、
さらには集中力低下・睡眠不足など子供の成長を遅らせることになってはいけないと思います
では私は漢方で何をしているか？
私が考えるアトピーの原因はひとつ虚労（きょろう）です
ストレス
アレルゲン（IgE・IgA・IgG）
不衛生（ダニやほこり、カビなど）
飲酒、不規則な食事や睡眠
様々な要因がありますがアトピーで無い方との違いはなんでしょう？
どうして同じリズムで生活していてもアトピーが出る方とで無い方がいるのでしょうか？
それは根本に虚労があるからです
お子さんをお持ちの方はこんな経験がありませんか？
・お出かけした疲れて帰ってきたとき
・寝たいのに起こされたとき
身体を掻いている子供を見たことがあると思います
これは”疲れて出ている症状”です
アトピーの方は日常的にこの状況に置かれていると思って頂けるとわかりやすいと思います
ですから
私はこの虚労を改善しつつ痒みを抑えるための漢方薬を使って治療を行っています
先にもお伝えした通り
アトピーは成長とともに自然緩解します
漢方薬を使うことで成長曲線を伸ばしてあげることで自然緩解を早めるお手伝いをしています
今回の話では成人アトピーは治せない？とお思いかもしれませんがそうではありません
小児であれ成人であれアトピー治療の基本は虚労の改善としています
しかし成人の場合外的要因が複数絡み合っていることが多いですから
そこをひとつづつ紐解いてあげないといけません
規則正しく「食べる」「寝る」「休む」「運動する」をしている方は成人でも治りは早いと感じます
【おまけ】
アトピー体質の方はフィラグリンという水分保持に働くたんぱく質が不足しているというデータがあります
フィラグリンが足りないかどうかは手の母指球のシワでわかるそうです
将来アトピー治療薬としてフィラグリンの製剤が出たら嬉しいですね
参考図書：世界最高のエビデンスでやさしく伝える最新医学で一番正しいアトピーの治し方
【漢方薬局における 症例報告会】
月に一度、小岩井によるZOOMオンラインセミナーです
一般の方もご参加できますよ
次回は11月19日（木）13：00-14：00
今回の症例報告は
①不安（のどがつまって息苦しい）50代男性
②不安（のどがつまって息苦しい）40代女性
| day |
月1回 木曜 Zoom利用 |
| time | 13:00-14:00 |
| textbook |
私が用意する相談事例を2つ |
| fee |
1500円/回(6000円/5回) paypayまたは振込 ＊医学生・薬学生500円 チームメンバー無料 ビューティーメンバー500円 |