気持ちを安定させる食材選び

 いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。パーソナル薬膳トレーナーの緒形なおみです。

 

新年早々、心が痛む出来事が次々と起こり、気持ちが不安定になる場面が多々ありませんでしたか?

 

急な災害に驚き同時に恐怖を感じたり、強いストレスにさらされたり、不安感に押しつぶされそうになったり

考えても考えても先がみえず苦しかったり、悲しい別れがあったり。

情報を得るために見た報道やSNSでは信じられないような悪意に触れてしまう事もあったかも知れません。

 

 

災害時に限らず、私たちの日常には色々な感情の変化が伴い、その変化に体の方も対応しながらばランスを保ちながら生きています。

 

しかしながら

特に今回のように『急すぎる』・『大きすぎる』出来事(変化も含む)というのは

心と体にとって相当な負担となり、早い段階からケアをしていかないと

いずれは体調の不調やメンタルの不安定という形で姿を現し、回復に相当な時間がかかることもあります。

 


 中医学では、感情と五臓の働きというのは切っても切り離せない関係として考えます。

 

人それぞれ得意科目や不得意科目があるように、人によって強い臓腑とダメージを受けやすい臓腑もあり

また、受けた感情の違いによってダメージを受ける五臓も違ってきたりします。

 

 怒り・悲しみ・憂い・恐怖・驚き、そして喜びさえも度が過ぎると五臓に負担をかけてしまいます

 

どんな感情を一番感じたのかを考えると

☑ケアすべき臓腑がどこか ☑どんな食材を選べば良いのか

という事が分かってきますし、目に見える不調として体が悲鳴をあげる前にケアすることが可能になってきます。

 

【参考】五臓六腑と感情の関係・症状として現れる部分


少し前の話

お身内を亡くされた知り合いの方に、漢方茶を2種類差し上げたことがありました。

 

肉体的にも精神的にも消耗したのではないかと思い『気を補う系』のものと、

悲しい思いをされただろうな(中医学では悲しみは肺を傷つけると考えます)と思ったので『肺を潤わせる系』のものをお渡ししたところ、ご本人は後者のお茶がとっても沁みて美味しかったとお話してくださいました。

 

図らずも咳が止まらず困っていたところだったそう。

 

傷ついた肺が潤いを保てなくなり咳や乾燥などの症状として現れてきていたのでしょう。

薬膳で使う食材は症状によって選べば良い、というだけではありません。

その背景にある感情の変化、気候、出来事を鑑みて症状の原因がどこにあるのかを探りあて、その人の弱点をケアし続けて強くすることを重要視してこそ、本当の【薬膳】だと思います。

 

《知恵と心を使って作るおうち薬膳》を今年も皆さんにお伝えできますように。